はいいろオオカミ+花屋 西別府商店
ロシアのミルク壷・ゴルショーク
久しぶりの投稿で申し訳ございません。
遅ればせながら明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ「はいいろオオカミ+花屋 西別府商店」を宜しくお願い申し上げます。

さて、今年最初の投稿ですが
ここはやはり昨年一番の反応があったロシアのミルク壷「ゴルショーク」を少し違った視点でご紹介出来ればと思います。

よく「こちらはロシアの古いミルク壷です。」と説明をするとフェルメールの「牛乳を注ぐ女」の話題が出るのですが、フェルメールはオランダの画家ですし、描かれる壷は把手が付いていて、やはりロシアのものとは少し違います。

そこで20世紀初頭にパリとモスクワで活躍した女性画家ジナイーダ=セレブリャコワの作品を一点ご紹介してみたいと思います。
彼女の作品はロシアの当時の農民を牧歌的に描いた作品が多く残されていて、この「農民たち-1915年作-」という作品もその連作のうちの一枚です。



女性がミルクを注ぐ様子が描かれていますが、牧歌的でありながら把手がないことで生まれる姿勢と佇まいがとても美しく感じます。
セレブリャコワがフェルメールの「牛乳を注ぐ女」を意識したかどうかは定かではありませんが、これはまさにロシア版の解釈かなと思われたりもします。

そしてここで女性が丘に腰掛けてミルクを注いでいる器こそがまさに当店で「ゴルショーク」と呼んでいるミルク壷そのものな訳です。

農夫でありながら、赤い服を纏ったり道具への装飾が凝っていたりと普段のロシア仕入でも不思議に感じることではあったのですが、こういった国民性がロシアの古道具ひとつひとつを現代で美しく魅せているのだろうと思いを馳せずにはいられない作品です。

昨年仕入のゴルショークも在庫は残すところあと僅かとなってきましたが、まだまだ雰囲気の良いものが残っています。
名画の中と同じものを生活の一部に取り入れてみるという贅沢を是非、皆様にも体感して頂けたら幸いです。


ゴルショーク ¥10,500〜25,000


 
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